舞台挨拶のチケットを徹夜した話
※前置きがクソ長いですがつまり言うとぴあで徹夜する話です。
2019年3月1日、18:00。それはほとんどの該当担にとって運命の時間であった。
3月5日に行われる映画の大ヒット御礼舞台挨拶の当落発表だったのだ。
関連の舞台挨拶は、試写会（1月26日）とは別に公開日（2月15日）付近に公開記念舞台挨拶が全国数ヶ所で行われた。東京だけでなく、川崎、大阪、名古屋、広島、博多など（東北を除く）各地で行われたことにより、地方住まいのファンもチャンスがあっただろう。
かくいう私は試写会は全て落選、公開記念舞台挨拶も仕事の都合で全国どの日程も行くことができず、抽選先行の際も応募はしなかった。
そして2月22日、大ヒット御礼舞台挨拶が決まったのだ！日程を確認し、うまくいけば会場に間に合うと確信した私は、ぴあのアカウントを持っているであろう友人に片っ端からLINEをした。
3月1日 18:00 当落発表
わたしはこの抽選にガチなあまり、毎月クレジットカードの返済に苦しんでいる身にも関わらずぴあカード*1の申し込みをしたのだが、結果は落選。協力を頼んでいた友人たちに当落の確認LINEを送るも、18:30にはほぼ全員から落選のスクショが送られてきた。証明にスクショを送ってくれる友人たち、チケ取りに慣れている……と、謎の感動を覚えながら、私はぴあに並ぶ覚悟をしていたのだった。
"ぴあに並ぶ"とは？
"ぴあに並ぶ"、それは文字通り、チケットぴあの店舗に並んでチケットを買い求めることだ。今でこそ店舗数は少なくなってきているが、昔はもっと店舗があり、みんな店舗でチケットを購入した……らしい。知らんけど……
チケットぴあの販売方法（一般）には、普段よく利用するインターネット販売のほかに、コンビニとぴあ店舗での店頭販売、電話販売など複数の手段がある。ジャニーズのコンサートが一般発売としてチケットぴあでも売られることがあるが、大抵は電話販売のみでインターネットや店頭での販売はない。なお、舞台はその限りではない。このあたりは主催者が違う関係だと思うのだが、簡単にコンサートは電話かけるしかなくて、舞台や映画の舞台挨拶ならチャンスがあると考えればいい。
今回は映画の舞台挨拶。店頭販売があるチケットだ。*2先行抽選があったチケットで、そもそものキャパが500を切るスクリーン。電話やネット、コンビニなど自分の力だけでは到底入手できるチケットではないと気づいた私は、以前ぴあに徹夜して並んでテニミュの大楽のチケットを手に入れた友達の姿を思い出していた。
23:00
チケット協力を頼んだ友人の一人に、彼女はいた。
「ぴあ並ぼうと思うんだけど、何時にいけばいいのかな？終電前ならいけるかな」
「終電前なら大丈夫だと思う！」
彼女の言葉を信じ、終電が発車する前にどの店舗で並ぶのかを決めるべく、私はドンキで折りたたみ椅子を購入、帰宅しお風呂に入って防寒対策をし23:00に家を出た。
東京都には公式にぴあの店舗として発表されている店舗が17店ある。その中でも激戦チケットを入手するのに最適な「チケットポート」の店舗が6店。東京、銀座、渋谷、新宿、池袋、吉祥寺だ。その中でも人気のある店舗は前日どころか前々日から並ぶ猛者もいるという。店舗によって、熟練した店員さんがいるかいないかによって、並んだ時間が報われるか、無駄となるかが決まるのだ。
友人が「〇〇店は人気で、１番で並べばほぼ確実に取れるって聞いたことある」と教えてくれたので、まずはそこに行ってみることにした。
今回利用した店舗は今後も利用する可能性があることと、あくまで今回は徹夜レポブログとするため以降訪れた店舗の場所は避ける。実際に並ぼうと思う方は、自分で調べて足を運んでどの店舗に並ぶか決めてください。
23:30
終電まであと1時間。都内人気店の開店前待機場所を訪れたわたしは、すでに寝袋に包まれておしゃべりをしながら待っている女性2人組を見つけた。今から並んでも3番目か……ぴあの店舗の端末は多くても2台くらいだろうと思うと、3人目というのはいささかリスキーだと思った。待機場所にある看板の案内を読めば、その店舗は『徹夜禁止』とあった。違反の場合、移動していただきます、とも。じゃあ、この女性たちは……？と思ったわたしは、女性たちに声をかけた。
「あの、なんのチケット目当てで並んでますか？徹夜禁止って書いてあるんですけど、このまま待たれる感じですか？」
「それは答えない！！！徹夜ってどっから徹夜なの？！」
こわい。やばい人かもしれない。そう察したわたしは、ありがとうございました、と告げ、ここで並ぶことを諦め次の店舗に向かうことにした。多分、終電がなくなる前に並ぶのは徹夜だろうなあ、と思いつつ……。
24:30
2軒目に行った。事前に得ていた情報から並び場所を把握していたわたしは、遠目で既に3人ほど座り込んで並んでいるのを確認しすぐに立ち去った。残る電車は少ない。効率的に店舗を回るためには、迅速に判断するのが大切だ。
途中、24:00に舞台挨拶が全国で中継されるライブビューイングのチケット販売があった。万が一並んでも取れなかった場合に備えて、中継劇場のチケットを抑える。
3軒目。24:30。ついた時には既に家に帰る終電はなく、ここで並ぶかカラオケなりで始発まで過ごすか2択しか残されていなかった。恐る恐る待機場所へ向かえば、女性が1人！これはチャンスあるかもしれない！もっと近づくと、座っている女性の横には紙が敷いており、荷物が置いてある。3人目か…？と恐れながら、声をかければその荷物は先頭の女性のものであるという！やった！わたしはここで1晩を明かすことを決めたのだった。
前に並んでいる女性の声が優しかったので、わたしはいくつか質問をした。なんのチケットで並んでるんですか、ここの店舗並んだことありますか、よく並んで購入されるんですか、ここの店舗って端末が何台あるんですか？とか。女性は快く答えてくれて、柚希礼音さんの一人舞台のチケットに並んでいること、よく並んでチケットを購入していて、この店舗は端末が2台あるからあなたも先頭よ、と教えてくれた。
同じ目当てでないことや、端末が2台あってわたしも実質先頭で購入できると知りとても安堵した。そのあと女性とは、一人舞台が上演されるシブゲキについて話をしたり、トイレに行く時に声を掛け合ったりした。シブゲキの悪口めちゃめちゃ言った。ごめん。
26:00
その夜、東京の気温は6~7℃くらいだった。防寒をして座っているぶんには、まだ耐えられる寒さだとわたしは思ったので、ヒートテックと裏起毛のトップス、コートで挑んだ。
寒い。そう、その夜の東京は風が強く、強い時には風速5mの風が吹いていたのだ。風が冷たくて、袖などの少しの隙間から冷気が体を駆け巡る。寒すぎる！
わたしはコンビニに駆け込み、ホットミルクと10枚入りの貼るカイロ、2枚貼らないカイロを買った。お腹、腰、肩甲骨の間、二の腕、すね、足の甲と10枚入りがあっという間になくなってしまった。キスどきを観るために契約したdTVでコナンを観ながら、残り8時間近くを過ごそうと待つ。
27:00(3:00)
寒い。寒すぎる。少し風が弱くなったとはいえ、少し開いた足首に吹き付ける風が下半身の体温を奪っていく。ただでさえ末端冷え性なわたしは、近くにドンキがあることを思い出した。隣の女性（起きていた）に声をかけ、ドンキへ向けて歩く。
深夜のドンキは人が少ない。店員も少ない。ただでさえどこに何があるのかよくわかんないドンキで、店員もどこにいるのかもわからないままドンキを歩く。結局探し当てたブランケットを購入し、トイレを借りた。これでもうぬくぬくだ！
6:00
ブランケットを買ったあと、場所に戻ったわたしは運動して体が温まったからかいつのまにか眠ってしまっていた。途中、始発が動き出したころにわたしの後ろに女性が一人並んだ。そのあとも眠ってしまい、気付いたら6:00だ。先頭の女性は席を外している。完全に目が覚めてしまった私は、あと約3:30どう過ごすべきか考えていた。寒いし、前後の人もいい人そうだしどこか暖かいところで過ごしたいな……最寄りのスタバがオープンするのが7:00だったので、1時間我慢することにした。
7:00
7:00になった瞬間にスタバに駆け込む。土曜の朝なので人もいないだろうと思っていたら、ちらほらとすぐに人がやってきて、いつのまにか賑やかなおばちゃまに占拠されてた。あったかいラテがしみるわ〜〜〜とかなんだか感じながら、あまり席を外すのもよくないな、と感じたチキンな私は8:00になる前に戻るのだった。
そこから前日のANNPを聴きながら、ぼけっと携帯を弄って待っていた。日がのぼって行くのも見ていたが、結局日陰なので日の暖かさの恩恵は得られなかった。ファイヤーマルチョウをオールのテンションで聴いたらめちゃめちゃツボで笑ってしまって、一人で笑ってる不審者になった。
9:30
ついに来た！開店前にぴあのお姉さんが待機場所へ来て、チケット購入の申し込み用紙を配ってくれるのだ。この用紙は普段店舗で使われているものと同じなので、事前に入手・記入して持参するとスムーズだ。お姉さんが並んでいる順番の番号を紙に記入してくれる。紙を貰ったら記入しなければならないので、ペンを1本持って行くといいだろう。また、ここでPコードを記入できる欄があるので、あらかじめ調べておくとお姉さんがチケットを探す際に便利なのではないかと思う。
記入した紙を渡せば、お姉さんが「舞台挨拶ですね。並び直しなどはありませんか？」と確認してくれた。複数購入希望する公演がある場合、並び直すことができるらしい。（A>B>Cで購入したい場合、Aが購入できたら並び直してBに挑戦。Aが購入できなかったら並び直しはせずにそのままBに挑戦してくれるというシステムだ）
舞台挨拶は1回しかなく、他の公演も購入する予定はなかったのでそのまま舞台挨拶のみをお願いした。私の真後ろに並んだ女の人も、同じ舞台挨拶が希望だった。私は先頭で案内されるけれど、彼女はどうだろうか。開店直前に店内へ入店できるとのことだったので、それまで店外で引き続き待機した。
10:00
9:55くらいになって、店舗の中へ順番に案内された。先頭に並んでいた女性が言っていた通り、端末が2台あるのが見えた。先頭の女性と私は名前を呼ばれ、それぞれの端末の前に立つ。お姉さんから「お席は選べません」と伝えられ、残る数分をドキドキしながら待つ。
カウンターの中にどんな時計があるのかはわからないが、お姉さんが構えた。緊迫した空気が私とお姉さんの中で流れたその時、お姉さんが言った。
「はい。○列○番のお席ですね」
いやどこの席だ…えっ、買えた？！すぐさま手続きをするお姉さんは、そのまま「お会計準備しますので下がってお待ちください」と言う。そのまま下がると、お姉さんは次に並んでいた女性を呼んだ。並んでいる人をなるべく早く案内できるよう、端末操作の担当と発券・お会計の担当は別らしい。合理的だ。
私の後ろに並んでいた女性は、カウンターに進んで30秒程度だったと思う。「ごめんなさい、完売です」お姉さんの声に、女性は頷いて去っていった。妹に実況LINEをしていた私のトークを確認すると、10:01のことだった。一般に用意されていた枚数は本当に限られていたのだろう。後になって、他の店舗では先頭に並んでいた方でも買えなかったと聞いた。
先に発券を終えた先頭の女性が、買えたと報告してくれた。私も買えたんです、と告げ、夜間の感謝をした。彼女がいてくれなければ初めての徹夜ぴあを乗り切れなかっただろう。シブゲキはクソ劇場だけど、素敵な時間を過ごせればいいな。
その後、名前を呼ばれ発券されたチケットを見た。店頭での支払金額は2108円。先行より安いやないか……と思いながら、ありがとうございます、と受け取り帰路についたのだった。
そうして、わたしの9時間30分にも及ぶ戦いの幕は閉じたのだった。
これから徹夜で並ぶ方へ
まず第一に、徹夜が禁止されている店舗での徹夜行為は控えてください。マナーを守って、待機してもいい時間から決められた場所で待ちましょう。
いや〜しかし、徹夜きつい。そんでもって1人、きついっす。友達と並ぶことができたり、もし近くに車を泊められるような状況なら交代で待機したりすることができたのかなあと思いました。
この徹夜にあたって、いろんな方のブログを参考にしたのですが持ち物とかはなかったのでまとめたいと思います！
- バッテリー（わたしはリチウム電池のものと乾電池式どっちも持っていった）
- 折りたたみチェア（背もたれ付きがGOOD）
- 夜食（あまり喉の乾かないもの）
- 飲み物（あまり利尿作用の強くないもの）
- 申し込み用紙（用意できれば）
- ボールペン
- 記入する時に台にするもの（手帳とか、堅いやつ）
- 希望公演のPコードがわかるもの（スクショでもOK）
以下は季節に応じて調整してください。
- ブランケット
- 魔法瓶入りの暖かい飲み物
- カイロ（貼らない）
- カイロ（貼る）
- しっかり首を守れるマフラー、スヌード
- マスク
今回は特に寒い季節というのがきつい原因だったなあと思いました。逆に夏だったら夜はもう少し快適に過ごせるのかな？でも冬も夏も、昼とは全然状況が違うので必ず対策をしていって欲しいなと思います。そしてわたしは待ちながら寝たりしてますが、特に夜中は何らかのトラブルに巻き込まれやすいですし、チケットのために徹夜している女性が酔っ払いに絡まれたりナンパされたりという話も聞きますので、出来るなら複数人で並ぶことや、駆け込める場所が近くにある、と確認できる店舗を選ぶことをおすすめします。万が一トラブル巻き込まれてしまったらチケット取れてもいけなくなっちゃうかもしれないしね。
以上、春先の徹夜チケ取りレポでした。今年の夏に推しぴが人気公演に出ることが決まっているので、またもう1回くらい並ぶことになるんだろうなあと思うのでした。
あんまり席はよくないけど、明日の舞台挨拶楽しんできます🎶
書き出しが堅いから最後まで堅くなってしまった……T_T
